次世代太陽電池で世界的ブレークスルー —— LONGi、 タンデム型ペロブスカイト技術が「中国科学十大進展」に選出

2026年、中関村フォーラム年会が北京で開催され、
国家主導による「2025年度 中国科学十大進展」が正式に発表されました。

その中で、LONGi蘇州大学 の共同研究による
「高効率かつ高安定性を実現したフレキシブル・ペロブスカイト/結晶シリコンタンデム太陽電池技術」
が選出されました。

本成果は、産学連携による協創の代表的な事例であり、
次世代太陽電池の中核技術における重要なブレークスルーとして注目されています。


シリコン太陽電池の限界と次世代技術

現在、単結晶シリコン太陽電池は、
実験室レベルで約29.4%と、理論限界に迫りつつあります。

こうした中、その限界を超える技術として注目されているのが、

ペロブスカイト材料とタンデム構造の組み合わせです。

異なる波長の光を効率的に利用することで、
理論上は43%以上の変換効率が可能とされており、
次世代太陽電池の有力な方向性として期待されています。


柔性タンデムが切り拓く新たな応用領域

本技術の大きな特長は、「フレキシブル性」にあります。

超薄型シリコンを用いた柔性タンデム電池は、

  • 厚さ約60μmの超薄構造

  • 軽量で取り扱いやすい設計

  • 曲げに対応可能

といった特性を有しています。

これにより、

  • 建築物の曲面部分

  • 軽量化が求められる構造物

  • 従来設置が難しかった場所

など、太陽光発電の適用シーンを大きく広げる可能性があります。


課題:フレキシブル太陽電池の耐久性

一方で、フレキシブル太陽電池には以下のような課題がありました。

  • 繰り返しの曲げによる機械的ストレス

  • 温度変化に伴う材料劣化

  • 層間の剥離

これらの要因により、従来は長期安定性の確保が難しく、
実用化に向けた大きな障壁となっていました。

技術の核心:剛柔二層のバッファ構造

こうした課題に対し、研究チームは新たな構造設計を開発しました。

  • 緩衝層(柔軟な層)
     → 応力を吸収・分散

  • 剛性層(高密度な層)
     → 電荷輸送と界面の安定性を確保

この二層構造により、

柔軟性と耐久性の両立を実現し、
高効率と長期安定性を同時に達成しています。

柔性タンデム電池の実用化に向けた、重要な技術的進展といえます。

世界トップレベルの性能

本技術に基づく電池は、以下の優れた性能を達成しています。

  • 小面積セル:変換効率 33.4%(米国NREL認証)

  • フルサイズシリコン基板:29.8%

いずれも同種デバイスにおいて、世界最高水準の記録です。

さらに、

  • 厚さ:約60μm

  • 出力重量比:1.77W/g

と、軽量性と高出力の両立も実現しています。


今後の展望

本技術は、

  • 高効率化(タンデム構造)

  • 軽量化・フレキシブル化(適用範囲の拡大)

  • 高耐久化(構造設計の進化)

を同時に実現することで、
太陽光発電の適用領域を大きく広げる可能性を有しています。

今後、量産化と実用化が進むことで、
太陽光発電はより多様なシーンで活用されていくことが期待されます。