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BC技術が海上太陽光主流へ——LONGi、上海電力より400MW海上太陽光案件を再び受注

上海電力が推進する奉賢海上太陽光発電プロジェクトにおいて、採用モジュールの技術方式がBC(バックコンタクト)技術に正式決定され、LONGiは400MWの供給契約を締結しました。すでに今月より先行して出荷が開始されています。

注目すべきは、上海市初の1GW「風光同場」海上太陽光プロジェクトのうち、上海電力と申能股份がそれぞれ50%の指標を獲得している点です。申能側の500MW案件もすでにBC製品が全量を占めており、これにより上海市最初の海上太陽光プロジェクトの採用技術はすべてBC方式となりました。海上環境におけるBC製品の競争力が、改めて強く証明された形です。


なぜ海上太陽光には高効率モジュールが不可欠なのか

海上太陽光は開発コストが高く、施工難易度も陸上に比べて格段に高い発電方式です。限られた海域で発電量を最大化することが事業採算の要であり、初期投資負担の大きい海上案件では、より高効率なモジュールが必然の選択になります。

海上太陽光はすでに「技術力が事業性を決める」新たな競争フェーズに突入しています。BC技術は構造的イノベーションによって海洋環境との親和性を高め、従来技術が直面していた発電性能の限界を突破。海上太陽光における新たな経済モデルを形成しつつあります。
発電事業者にとって、BC技術の採用は「低リスク・高確度の収益性」を選択することにほかなりません。


実証データが示す BC 技術の卓越性

BC技術が上海海上太陽光プロジェクトで全面的に採用された背景には、豊富な実証データの裏付けがあります。国家光伏質検中心(CPVT)の山東煙台実証基地、および北京鑑衡認証中心(CGC)の三門実証基地では、いずれも海上環境におけるBCモジュールの優れた適応性・性能が実証されました。これは海上プロジェクトのモジュール選定に極めて重要な根拠となっています。

  • 単位W発電量:
    Hi-MO 9はTOPConに比べ1.94%の発電量増加を実証。実際の発電所運営では明確な収益向上に直結します。

  • 低日照環境の性能:
    2025年2月4日の雨天データでは、1W当たり0.98%の発電優位性を記録。低照度下でも高性能を維持します。

  • 低動作温度:
    実証期間中、Hi-MO 9の動作温度はTOPConより平均1.31℃低い結果となり、温度起因の劣化が抑制され、長期安定性にも貢献します。

  • 総合出力:
    山東煙台基地(背面反射率6.73%)では、Hi-MO 9の総合出力667.05Wに対し、TOPConは648.11Wと大きな差が確認されました。


BC技術が切り拓く海上太陽光の高品質基準

1. 塩害に強い“抗劣化ファイター”

BC量産モジュールの年間劣化率は0.35%で、TOPConの0.4%低く抑制。
塩霧濃度5%、湿度85%という海洋環境を30年間シミュレーション試験でも、BCモジュールは明確に優れた性能保持を示しました。

2. 面積あたりの収益を最大化する高出力密度

背面接触構造により、正面の遮蔽物ゼロでほぼ100%の受光を実現。
弱光性能・温度係数の優位性も相まって、海上での単位W発電量は従来技術比3%以上向上します。

コスト面では、1GW海上案件で6.5%以上の海域面積を削減でき、基礎・ケーブル等の付帯コストを大幅に圧縮できます。

3. 極端環境に適応する“台風耐性の象徴”

「I字型」配線設計によって、TOPCon比で2倍の耐マイクロクラック性能を実現。
一体型封止構造と高強度フレームにより、風速60m/s(17級台風)と8mの波高にも耐える堅牢性を備えています。


まとめ

上海海上太陽光の初期1GW枠が全量BC技術で構成されたことは、海上発電という特殊環境におけるBC技術の“確立された優位性”を強く示しています。LONGiは今後も実証データに基づく技術革新と高品質モジュールの供給を通じて、海上太陽光の高効率化・長寿命化、そして事業価値最大化に貢献してまいります。