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太陽光発電モジュールは大きければ良い?サイズ選びのポイントを解説

多くの方が疑問に思うかもしれません。「どのサイズのモジュールを選べば良いのか?」「サイズが大きいほど発電量も高くなるのでは?」と。
確かに太陽光発電モジュールは、発電所の中心的存在であり、太陽光を電気に変換する重要な役割を担っています。
しかし、「大きければ大きいほど良い」というのは本当なのでしょうか? モジュールのサイズとその価値は比例関係にあるのでしょうか?
今回はその疑問にお答えします。


01|モジュールは大きければ良いわけではない

太陽光モジュールは、発電所の安定的・持続的・高効率な運用において決定的な役割を果たします。信頼性と安全性を前提に、ある程度のサイズ拡大は製品効率を向上させ、発電コストを下げる効果があります。

ただし、モジュールの「大きさ」だけでその優劣が決まるわけではなく、「品質」と「変換効率」が最も重要な判断基準です。
サイズばかりを追い求めてしまうと、運用時にさまざまな問題やリスクを引き起こす可能性があります。


02|どのようなモジュールサイズが最適なのか?

① 輸送面

モジュールは主にコンテナで世界中に輸送されます。横向き・縦向きに積載するのが業界で一般的かつ信頼性の高い方法です。
標準的なモジュールサイズは、国際標準のコンテナサイズをもとに、輸送中のリスクを考慮して設計されています。

サイズが大きすぎると、輸送中にマイクロクラックや破損などの品質リスクが高まります。
また、横向きの立て積みを採用した場合、コンテナスペースの無駄や荷下ろし後の転倒リスクも発生します。

② 施工面

人間工学の観点から、モジュールの理想的な幅は、作業者が両手で自然に持てる範囲が快適であり、安全に2人で持ち運べるサイズであることが求められます。
サイズが大きくなりすぎると、重心の不安定さによって転倒の危険が生じます。

③ 利用面

モジュールのサイズは多くの要因に左右されますが、大きすぎるサイズはホットスポットのリスクを高め、架台の耐荷重にも課題をもたらします。
また、モジュール表面の耐衝撃性も低下し、砂や小石の衝突による破損リスクも増加します。

したがって、単純にサイズを拡大することが発電コストの低減や効率向上に直結するとは限りません。
むしろ過度なサイズアップは、設置やメンテナンスに多くの不便をもたらします。


最適なモジュールサイズとは?

モジュールサイズの選定は、設計・輸送・生産コスト・発電効率など多くの要素が絡む複雑な判断プロセスです。
現在では、192mmセルを採用したモジュールが市場の主流となりつつあります。

このサイズのモジュールは、発電効率・コスト・設置のしやすさなどのバランスに優れており、トータルパフォーマンスが高いと評価されています。
また、192mmモジュールは設計面でも最適化が図られており、発電性能を維持しながら輸送・設置コストの低減を実現しています。
さらに、210mmセルを用いた大型モジュールに比べて高温環境下での安定性が高く、さまざまな気候条件に適応しやすい点も魅力です。

確かに、大型モジュールにもメリットはありますが、「大きければ良い」という単純な話ではありません。
発電所の設計・施工においては、こうした様々な観点を総合的に考慮し、最適なモジュールサイズを選ぶことが、プロジェクト成功のカギとなります。